紙の辞書を使って
最近では Google翻訳という便利なツールがあり、ヨーロッパの言語間の翻訳はなかなか正確に翻訳する。だから、現在では小生も英語からフランス語やドイツ語へ訳すときにはそのツールを用いている。だか、それが正しい翻訳になるかどうかの確認は、今でも紙の辞書を多用して自分の力の許す限り実行している。
10年以上前にはこうは行かなかった。とあるイタリア語の曲 ‘STORIE DI TUTTI I GIORNI’ が気に入って内容を知りたいと思ったときには、イタリア語の入門書と辞書を買って、英語やフランス語の文法を頼りに翻訳してみた。ただ、イタリア語と日本語ではあまりにも違うので、自ら伊文英訳してみた。
イタリア語の storie は storia (女性名詞) の複数形であり、di は前置詞、tutti は形容詞 tutto (男性形) の複数形、giorni は giorno (「日」<男性名詞>)の複数形である。
ほとんどのヨーロッパ語では、名詞には「数」(単数・複数)の他に「性」(男性・中性・女性」)の区別がある。フランス語やイタリア語の場合には「男性」・「女性」の区別だけであり、ドイツ語やロシア語の場合には、「男性」・「中性」・「女性」の区別がある。因みに、古代ギリシア語やラテン語の場合にも、名詞に「男性」・「中性」・「女性」の区別がある。
冒頭の部分など少しばかり原文(冗談)と英語への拙訳(下段)を紹介すると、
Storie di tutti i giorni
Stories of all the days
vecchi discorsi sempre da fare
old tales always being told
storie ferme sulle panchine
stories, sitting fixed on the benches
in attesa di un lieto fine
waiting for a glad ending
storie di noi brava gente
stories of our respectable people
che fa fatica, s'innamora con niente,
who, with fatigue, fall in love with trifling people
vita di sempre, ma in mente grandi idee.
and yet, living life that has great ideas in the mind.
................................
Storie come anelli di fumo
Stories, like circles of smoke,
in un posto lontano, senza nessuno
which are placed far way, without anybody
solo una notte che non finisce mai.
there's only a night that never ends.
1980年代の曲であり、You Tube に Riccardo Fogli が歌っているものがアップされている。レイモン・ルフェーブル (Raymond Lefèvre) が彼自身のオーケストラのために編曲した曲もあり、こちらも素晴らしい曲である。
ルフェーブルの曲は、弦楽群が葬送曲のような荘重なメロディーを奏でて始まり、弦楽の演奏が30秒ほど続いた後、一転して同じメロディーラインをロック調に数分間演奏している。低音部もコントラバスからエレキベースに切り替えられているようであり、ドラムの「ドカン・ドカン」という音と、成り行き任せの (いいかげんな) 生き方を象徴するかのようなトランペットの背後では、弦楽群が少し悲しいメロディーを基調を崩さず、真面目に奏でている。
まさしく、これぞ人生 (C'est la vie) である。
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