塾は得点を取らせることだけを第一目的にすべきではない
塾に通っている生徒は、もちろん高得点を目指すべきであるが、塾は得点を取らせることだけを第一目的にすべきではない。その理由を少しばかり書いてみよう。
このことを改めて思い知らされたのは、今年我が上尾市に出来たWゼミについて群馬県館林市の知人から情報得てのことである。Wゼミは館林市にもあり、学校の定期テスト対策と称して、学校の中間・期末試験の過去問を塾生に渡すというのである。これは何らかの法律や社会的なモラルに抵触する可能性がある。
さらに問題なのは、出題する先生ごとにテストを分類しておいて、それを対象の塾生に渡すというのである。それがテスト勉強への参考になるケースであれば左程問題はないが、過去問とほぼ同一の試験であったり、部分的には全く同じであったりするケースでは事態は一変する。記号選択の問題や4択の問題が出題される場合には、生徒は答えだけを覚えればよいことになる。数学の確率の問題などは、採点者に思考の過程を見られなければ結果のみを、例えば3分の1とか12分の1とか覚えればよいことになり、そのような試験勉強をさせている塾はまともな勉強の場ではなくなる。
そのような塾に通ってたまたま高得点をとっても、それは近い将来の受験や将来に繋がる勉強ではない。埼玉県の私立高が北辰テストの偏差値で合格の確約を出しているのは周知の事実であるが、最近では通知表の成績で確約を出す学校も出てきた。だから、どのような形でも定期試験で高得点を獲得すれば合格を勝ち得る場合もあるが、高校というのは合格さえすれば良いというものではない。高校に入ってもその学校の授業レベルに対応できる十分な学力がなければ、赤点の連発にも繋がりかねないし、最悪の場合には留年もある。
大切なのは、目標に到達するために日々努力を積み重ねることであり、塾はその手助けをしてもよいが、間違っても得点をとらせることだけを第一目的にすべきではない。
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