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2012年5月 9日 (水)

猫ひろしの一件 (プノンペン・ポストの記事から) 

 お笑いタレントの猫ひろしのオリンピック出場が却下されたとのことである。当事国のカンボジアのPhnom Penh Postでは大きくその記事がとり上げられているので、例によって冒頭の部分を紹介する。

Olympics no go for Neko
オリンピックは猫にゴー・サインを出さない

The National Olympic Committee of Cambodia’s controversial choice of marathon runner for the 2012 Summer Olympics looks set to miss out on a trip to London after the International Association of Athletics Federations ruled him ineligible, NOCC officials revealed earlier today.
カンボジア・オリンピック委員会による2012年夏期オリンピックのマラソン・ランナーの議論を呼ぶ選択は、国際陸上競技連盟が彼を不適格と定めたことによって、ロンドンへの旅で誤りを犯したとされたようである、とカンボジア・オリンピック委員会の当局者たちは今朝早く表明した。

Japan-born professional comedian Kuniaki Takizaki, more commonly known by his stage name Neko Hiroshi, had been given the nod by the NOCC to join their delegation as one of five wildcards granted by the International Olympics Committee to participate in London.
その芸名「猫ひろし」によって、より一般的に知られている日本生まれのプロ・コメディアン瀧﨑邦明は、国際オリンピック委員会がロンドン
 [五輪] に参加することを認めた5つのワイルド・カードの1つとしてカンボジア代表に加わることを、カンボジア・オリンピック委員会によって承認されていた。

However, a fierce media backlash in his homeland had brought the issue of nationality to the IAAF, which in turn spoke with Cambodia’s governing body, the Khmer Amateur Athletics Federation, over the past few weeks to help clarify Neko’s status in the Kingdom.
しかしながら、彼の母国のマスコミによるすさまじい反発が、国籍の問題をIAAF [国際陸上競技連盟] へもって行き、IAAFの側から、英国での猫の地位を明確にするのを手助けするために、この数週間に渡ってカンボジアの運営団体のクメ・アマチュア競技者連盟と話し合った。

An Olympic Charter by-law regarding athletes who have never officially represented their country of birth offered the NOCC the opportunity to allow the Japanese man to be part of their 2012 Olympic team providing he obtained Cambodian citizenship at least a year prior to competing.
公式に出生国を代表したことのない競技者に関するオリンピックの一条項は、少なくとも競技の一年前に彼がカンボジア国籍を取得したことを条件として、その日本人男性が彼らの2012年のオリンピック・チームの一員となることを許可する機会を、NOCC [カンボジア・オリンピック委員会] にを提供した。

Neko became a Cambodian national last October, one month before representing the Kingdom in the marathon race at the 2011 SEA Games in Indonesia.
猫は昨年10月、インドネシアで行われた2011年に東南アジア競技会でのマラソン競技で英国への代表となる1ヶ月前に、カンボジア国籍になった。


 猫ひろしがオリンピックの代表になったやり方には、やはり納得が行かない。しかし、フルマラソンを2時間半で走るというのは、アマチュアとしては驚異的な記録である。また、記録を伸ばすために、猫ひろしは日々弛みなく努力をしている。── これも確かな事実である。
 スポーツマンらしく正々堂々と振る舞えというなら、嘗ての江川卓氏 (元巨人軍投手) の一件などは羞恥極まるものであった。しかも、読売新聞は、報道という手段を用いて倫理無視の巨人軍を全面的に支援したのである。(その後多年を経て、江川氏に関連する問題は、清武球団代表の解雇問題へと繋がった。)
 そうであるなら、猫氏にも一理あることになろう。
 
 だが、2時間30分という記録は、 トップ・アスリートとしては情けない記録である。それを猫氏自身がどう評価するかは自由であるが、一般的に見れば、オリンピックへは参加する意義しかもたないであろう。
 そうであるなら、実際には日本に住んでいる猫氏ではなく、本当のカンボジア人にオリンピックへ行って戴くのが妥当であろう。カンボジアの国民は政治的な悲劇 (ポルポト政権による大虐殺) を経験しているし、同国は現在でも最貧国に列せられている。そのことを忘れて「お笑い」(comedian) の乗りで全てを判断するのは、よくないことであろう。 

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