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2011年4月 2日 (土)

哲学

 この春から高校生になる塾生の一人が、『高校生のための哲学入門』 (長谷川宏著) という本と苦闘している。課題図書の一覧にあったものから選んで購入したとのことである。
 長谷川宏氏は自宅で学習塾を開く傍ら、ヘーゲル (G.W.F. Hegel) の哲学的著作を中心にドイツ語の古典的文献を翻訳・出版している方である。
 「哲学」というのは、ヘーゲル自身がイギリス人による哲学の規定の曖昧さを批判している ("Enzyklopädie" ∬7) ように、或る意味では捉えどころのない学問である。
 ヘーゲルの哲学で有名なものに、「弁証法」(Dialektik) がある。この弁証法なるものは後の思想に大きな影響を与え、特にマルクスとエンゲルスには大きな影響を与えている。さらには、弁証法は旧ソ連 (ソヴィエト連邦) では自国の社会システムを正当化する理論的支柱になっていた。

 この「弁証法」はときとして単純化され、単純な法則として理解されてきたが、実際にはそのように単純なものではないはずである。そのことはヘーゲルを読めば読むほど分るものである。
 (長谷川氏も携ってきた) 学習塾での指導も、得点や順位だけを追い求める単純なもの――専門バカならぬ塾バカ――であってはなるまい。実際、長谷川氏は前記の著書のなかで、子どもは「遊ぶのが仕事」だと書いている。(だからといって、勉強もしないで遊んでばかりいるのがよいと書いているわけではない。 このような二律背反が現実のなかで次なるステップにおいて解決される 、というのがヘーゲル的な思考 <弁証法> である。)

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